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時給制ラヴァーズ

第8章 8.ずっともっと

「言ってなかったっけ? 趣味なんだ、カメラ。写真も、映像も。動画編集とかも結構好き」
「確かに遊園地の時もそれっぽい感じだったけど……。うわーじゃあマジAV撮れるじゃん。なに、どうせなら本格的なの作る?」
「本格的って、カメラマンでも入れる気か?」
「あ、無理、それは勘弁。慶人しか入ってほしくない」
「……下ネタかどうか迷うところだけど、可愛かったから許す」

 本格的なカメラもあって編集出来るなら、せっかくだからちゃんとした作品にでも、って思ったのはまあ戯言のつもりだったんだけど。
 本気で考えられたらそういうことになるから、すぐさま撤回。慶人以外になんか絶対見られたくない。

「それで、本当に撮んの?」
「……今はまだ、俺だけで一人占めにしとく」

 覆い被さってきた慶人を受け止めながら、そのカメラをどうするのか聞いてみたら、どうやら今日は諦めるようだ。「今は」っていうのがどれぐらいの期間かはわからないけど、まあその点は後でちゃんと話し合おう。とりあえずこの時ばかりは気持ち良さ優先で。

 もちろん、俺たちはそんな感じで幸せでも根本的な解決は出来ていない気がするし、むしろそれよりも面倒な事態になっている気がしなくもない。
 他にだってよく考えれば問題は色々あると思うけど……まあ見つけ次第一つ一つ片付けていくしかないわけで。

 とりあえず一度物語にハッピーエンドのマークをつけてから、結果的にキューピッドになってくれた城野に、ちゃんと事情を説明する所から始めようか?

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