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時給制ラヴァーズ

第8章 8.ずっともっと

「それで、その時には慶くんとの……って、あのババア……!」
「ちょっと! お母さんにババアとか言っちゃダメでしょ!」

 母親に慶くんって呼ばれる慶人可愛いなぁと和んでいたってのに、急に飛び出した暴言に驚いた。普段そんな乱暴な言葉遣いしないのに、なんでまた急に。

「息子にハメ撮り要求するような奴は母親じゃない」
「ハメ……っ!? な、な……?!」

 跳ね起きた慶人はすっかりご立腹で、その勢いでごろりと後ろに転がった俺は、続いて飛び出した言葉に度肝を抜かれる。
 え、それって、その、してるのをカメラで撮るってことでしょ? それを人に見せんの?
 確かに、慶人が前に言ったように、俺たちがプラトニックじゃないと聞いて即座に寝室を漁りに行くような人たちだったけど、さすがにそこまでとは思わなかった。
 なかなかにして予想の斜め上をいってくれる。

「仲がいいのは認めるけど、乱れ過ぎた性生活を送っていないか心配だから動画を撮って送れだとさ。心配なんて言葉だけで、どう考えても興味本位でしかないだろうな。これでもまだ優しく出来るか?」
「うーん、やっぱりそういう目で見られるのかぁ……」

 覚悟していたはずなのに、実際そうなると背中が嫌な汗で濡れる。

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