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時給制ラヴァーズ

第8章 8.ずっともっと

 それにしても、ずいぶんファンキーなご両親だ。過干渉ってレベルじゃない。これなら息子が男の恋人を用意してなんとか攻撃の手を緩めさせようと考えるのも無理はないのかも。結局はそれさえも上回っていたようだし。

「さすがに見せんのはやだなぁ」

 しかも慶人の両親にとか、さすがに想像したくないくらいキツイ。
 それに今までならまだしも、ちょっと前からシャレにならないくらい気持ち良くなり始めちゃったし。その時だけはちょっと制御出来ないから、後で冷静に見られるとかなりやばいと思う。
 そう素直に気持ちを伝えたんだけど、慶人は微妙に眉を潜めて俺を見た。

「なにその、見せなかったら撮るのはいいみたいな言い方」
「いや別にそういう意味じゃないけど……でもまあ、誰にも見せないなら撮るぐらいいいかなぁ」
「……マジで言ってんの?」

 正直俺は自分のことを嫌いじゃないし、写真やビデオカメラで撮られるのも嫌いじゃない。だから撮られるのは別にいいけど、それを自分で見るかと言われたらそれはまた違う問題だ。
 でも慶人はその答えが意外だったみたいで、神妙な顔で聞いてくる。

「今度カメラ買ってくる?」

 だから笑ってそう茶化すように答えてみたら、こくりと慶人の喉が鳴った。
 お、なにかツボに入ったらしい。慶人ってやっぱりむっつりだ。

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