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時給制ラヴァーズ

第8章 8.ずっともっと

「お前やっぱ変で面白い」

 そしてひどく嬉しげに俺の頬を両手で包み、たっぷりとしたキスをする慶人。人のことを変だ変だと言うけれど、そもそも一番初めに変な提案をしてきたのは慶人なのに。
 でもまあ、気に入られるのは嫌いじゃないけどさ。

「俺って魅力的?」
「すげー魅力的」
「欲情しちゃう?」

 再び現れたキス魔に、キスの雨を降らせられつつ戯れに聞いてみれば、鼻先にちゅーされた。

「……したからこのままベッド行かない?」
「そういうストレートな方がわかりやすくて好きだな」

 照れてる慶人も可愛いけど、気持ちがわかりにくいからはっきり言ってくれた方がいい。
 だから素直に頷いて、さっさと慶人の部屋へ向かうことにした。
 そしていつもの寝心地のいいベッドに座ると、慶人はものすごくさり気なくクローゼットの中からカメラを取り出した。しかもそれは前に見た一眼レフとも違う、テレビのロケをしている時に見るようなカメラの小型版みたいな、運動会のお父さんレベルじゃないちゃんとしたものだった。

「慶人、なにその立派なカメラ」

 本当に撮る気かとつっこむ前に、そのカメラ自体が気になってしまう。詳しくはない俺でもわかるくらい本格的過ぎる。

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