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ミニチュア・ガーデン

第3章 空洞の城

 その夜、ガルクは何度もクウラを抱いた。
 広い部屋に甲高い嬌声が響き、欲情を訴える水音と細い体を揺さぶる音が混ざり、荒い息に混ざる低い喘ぎ声が絡みつく。
 汗ばんだ肌にクウラの長い髪が張り付くが、昂ぶった肌はゾクゾクと粟立つものだった。

 空が明るくなり始めたと気づいた所で、当然の様に彼女の中に射精し、横になる。甘い、腰の痙攣が続く間は、彼女の膣に性器を擦り付け、収まると抜いた。クチュと小さな音がし、追う様に白い精液が中から漏れ出す。
 ティッシュを手渡すとクウラは疲労と快感にふわふわとした手つきでそれを拭い、力尽きた様に横になる。自分の処理が終わったガルクは、彼女のも丁寧に処理し、横になると強引に腕の中に入れた。
 反射的に愛してる、好きだ、などと口を開きかけたが、肉体しか知らない彼女には不適切だと気づき、少し開いた口は形の良い、薄い唇で塞いだ。
 彼女に囁く言葉は無意味だ。何を口にしても彼女の心に届くはずもない。
 そんな事をするよりは、同じ口を使うのならば、唇を啄み、吸い上げてしゃぶり、舌を絡めた方が、今の関係には余程お誂え向きだ。
 甘い熱に犯された細い体を抱きしめ、クウラが疲労に瞼を落とす姿を眺める。疲労は感じても眠り方を忘れたガルクにとって、腕の中で誰かが眠っている姿を眺めるのは安心感をもたらした。
 暗い夜を一人で過ごすのではない。
 腕の中で身を任せている誰かと過ごせると安堵できる。それが例え彼じゃなくても、気を紛らわせる事が出来た。

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