
ジェンダー・ギャップ革命
第1章 逆襲の女と家畜の男
「えみるん、もっと派手なもの見せて。その女、配偶者持ちでしょ?二度と男の身体なんていらないって言わせちゃえ」
「英真の言う通りだよ。そんなうぶな女、久し振りに見た。めちゃくちゃ調教し甲斐あるじゃん」
SMショーか何かの見物ととり違えている物言いの主は、往国英真(ゆきぐにえま)と渡島(とじま)しづや。今の女尊男卑社会を確立させた神倉えれんの事務所に勤務している役員で、そこで出逢った友人達だ。
一般刑務所とは違って、ここは看守以上の役職にいる人物の関係者なら、出入り自由だ。一途な愛情に結ばれながらも、奔放に淫らごとを好んでいる彼女達は、屡々、就業中のえみるを見に来る。
えみるは愛液まみれの右手指をロープと潤みの隙間にこじ入れていって、薔薇のように入り組んだ肉襞をいじる。女のふくらはぎがひくひく撓んで、肩から腰にかけてくねくねと動く。あまりにロープが軋むため、彼女の肌を平手で打った。
ペチンッ。
「一〇八人目さん。貴女、パートナーが脱税しようとしたんだよ。ただでさえ異性愛なんて気持ち悪い趣味してるんだから、連帯責任取るのが当たり前なの。これ、処罰。自分の立場、分かってる?」
「こんなふしだらな処罰がありますか?!」
ペシーーンッッ…………
「口の利き方に気を付けなさい!!」
あっ……と、女の喉から素っ頓狂な声が上がった。それがただの驚愕でなかったのだと分かったのは、三度目の叱咤を施した時だ。
「ああん……ッッ」
今度は明らかに甘やかな声で、女が腰を上下に揺らした。
