テキストサイズ

【参加型小説】尾仁牙島

第9章 ゲーム③ 分かれ道

「私も同感です。でも、恐らくあっち側が民宿に近いと思います」

「じゃあこっちは……山の中?」


 昼間登った山だろうか?
 そういえば村長が夜は山に入ってはいけないと言っていた。そのことを二人同時に思い出し、困惑する。


「……どうやら明るくなるまで動かない方がいいみたいね」

「そうですね……。ここも安全とは言い難いですが……」

「はあっ……。今頃みんな私たちを探しているかしら? それとも気付かずに寝ちゃってる?」

「きっと探してると思います。夜にお菓子パーティーをすると言ってましたし……」

「でも夜に外出ちゃいけないって言われてるし、さすがにこんな所まで助けにきてくれないわよね?」

「……っ……」

「こんなことになるなら、携帯電話を肌見離さず持っておけば良かったわ……」


 二人の携帯電話はそれぞれ部屋に置いてきてしまった。だから連絡する手段もない。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ