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【参加型小説】尾仁牙島

第10章 儀式

「はあっ? 逃げただと!? 眠らせたんじゃないのか!?」

「すまない、ちょっと目を離した隙にいなくなってて……」

「チッ、使えねぇ奴だな!」


 めきゆを運んだ男は苛立ちながら鉄の扉を閉めた。そして鍵をかけたあと、他の男たちと共にその場から立ち去った。


「まさか、女二人って……。めきゆさん、めきゆさん!」


 小夏は眠っているめきゆに声をかけた。


「……大丈夫よ。寝たふりをしていただけだから」


 めきゆは身を起こすと、髪を整え、服についた土を払った。


「待って、縄を解くわ」


 めきゆがそう言うと、壁からスッと松が現れた。


「ひっ……!」


 いきなり壁から現れた黒服の男を見て、小夏は悲鳴をあげそうになった。しかし、後ろから梅に口を塞がれる。


「ここで叫ぶと気づかれてしまいます」

「……ッ!!」


 小夏は更に驚くが、頑張って悲鳴をゴックンした。


「大丈夫よ、小夏さん。彼らは私のボディーガードなの」


 めきゆは小夏に梅と松を紹介した。



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