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【参加型小説】尾仁牙島

第10章 儀式

「待って、ユウさん。すぐに助けに行きたいのは山々だけど、もう少し話を聞きたいの。もし本物の鬼なら、武藤さんのようにアタシたちも襲われかねないし、ここは慎重にいきましょ」

「……そうですね」


 ユウが渋々刃物を収めると、男はホッと安堵の息を漏らした。


「ふぅ……儀式は子の刻にならないと始まらないから安心してくれ。それに女たち――いや、あんたたちの仲間が二人逃げたから探さないといけない」

「二人って、るなちゃんとシェリーのこと!?」

「名前はわからん、片方は巫女の格好していた」

「るなちゃんだわ!」

「うまく宿の方に逃げてればいいんだが……もし山の方へ行ってたら厄介なことになる」

「どういうこと?」

「山は奴らの……鬼たちのテリトリーなんだ。特に夜は凶暴になる。理性を失った鬼を相手にしたらまず殺られる」

「ちょっと待って。そんな凶暴になるんだったら、儀式も成り立たないんじゃないの!? 子ども孕ませられるどころか、殺されちゃうじゃない!!」


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