
【参加型小説】尾仁牙島
第10章 儀式
「それは大丈夫だ、神社には鬼の神様が祀ってあるからな。神社の鳥居をくぐった瞬間、鬼たちは理性を取り戻す」
「あら、そんな都合のいいことが? そもそも、なんで鬼の血を絶やさないようにしないといけないの? そんなに凶暴なら、根絶やしにしたほうがいいんじゃないの?」
「あんたら、よそ者にはわからないと思うが、俺たちはずっと鬼の神様に守られてきたんだ。――昔ここは囚人の島だった。法律も警察もない無法地帯のせいで、毎日のように殺人や強盗が起きていた。でもそれ以前にこの島は鬼の棲む島だった。鬼たちは荒れ狂った囚人たちの前に現れ、力で押さえ込んだ。そのおかげで島は平和になった。今こうして俺たちが生活できているのも、鬼たちのおかげなんだ。だから……」
「だから、代わりに生贄を?」
「!」
不意にユウに突っ込まれて、男は動揺する。
「それって何年前の話なんですか? 昔は本当に鬼がいたかもしれないですが、ちょっと非現実的過ぎますよね」
「あら、そんな都合のいいことが? そもそも、なんで鬼の血を絶やさないようにしないといけないの? そんなに凶暴なら、根絶やしにしたほうがいいんじゃないの?」
「あんたら、よそ者にはわからないと思うが、俺たちはずっと鬼の神様に守られてきたんだ。――昔ここは囚人の島だった。法律も警察もない無法地帯のせいで、毎日のように殺人や強盗が起きていた。でもそれ以前にこの島は鬼の棲む島だった。鬼たちは荒れ狂った囚人たちの前に現れ、力で押さえ込んだ。そのおかげで島は平和になった。今こうして俺たちが生活できているのも、鬼たちのおかげなんだ。だから……」
「だから、代わりに生贄を?」
「!」
不意にユウに突っ込まれて、男は動揺する。
「それって何年前の話なんですか? 昔は本当に鬼がいたかもしれないですが、ちょっと非現実的過ぎますよね」
