テキストサイズ

【参加型小説】尾仁牙島

第10章 儀式

「鬼はいる。信じられないのなら、今から山に入ってみるといい」


 男はユウを睨んだ。しかしユウの殺気に震え上がった。


「困ったわね、もし二人が山に入ってたら更に困難になるわよ。それにさっき子の刻って言ってたわよね?」

「子の刻まで、あと一時間ですね。あとめきゆさんが北の方角に移動してます」


 ユウはスマホを確認しながら言った。


「北の方角なら、神社だな。きっと村のやつらが連れていってるんだろう」

「じゃあ、めきゆはとりあえず安全ってことかしら? 千代は? 小夏ちゃんは?」

「小太りの女なら神社に連れて行った」

「小太り……。それ千代が聞いたら怒るわよ?」


 皮肉にも、その特徴でピンときたレシピェールである。


「そういえばさっき男が一人紛れ込んでいたな。きっと今頃山に捨てられてるだろうが……」

「なんですって!? それもしかして小夏ちゃんじゃない!?」

「小夏さんなら、めきゆさんと一緒にいるそうですよ。たった今、めきゆさんからメールが届きました」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ