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【参加型小説】尾仁牙島

第10章 儀式

「ユウさん……」


 レシピェールはユウの自信に満ち溢れた表情を見た。この男なら一人でもやってくれる、そう思わせるくらいの余裕があった。


「わかったわ! アタシは千代を助けに行くわ」

「二人を見つけ次第、メールします。くれぐれも気をつけて」

「ユウさんもね! ほら、あんたは神社までアタシを案内しなさい」


 そう言ってレシピェールが座り込んだ男に声をかけると、男の身体は僅かに震えていた。


「は? なに笑ってんの、あんた」


 男は笑っていた。


「クククッ……あーはっはっはっ!!」


 レシピェールとユウは沈黙した。


「え? そんな悪役みたいな笑い方する人、初めて見たわ。痛いからやめたほうがいいわよ?」

「うるさいわ! 笑い方に突っ込むな!」

「で、なんなの? なんか言いたそうな顔してるわね?」

「ふんっ……。あんたたちは全くわかってないようだから忠告してやる」

「忠告?」



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