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【参加型小説】尾仁牙島

第6章 乗船

 柚里が言ったとおり、スウェットの裾辺りに赤い血がついていた。


「……いや、怪我なんてしてないです」

「え? じゃあこの血って……」

「……」


 一同、沈黙になった。
 おそらくみんな同じことを思っているだろう、さっきの男が怪しいと――。


「ま、まあ……鼻血かもしれないですしね!」

「そうそう!」

「あ、白だから目立つので、着替えた方がいいですよ」


 隼斗は頷いた。流石に気持ち悪いので、武藤にお手洗いに行くと伝え、黒のスウェットに着替えて戻ってきた。


 その後、一行は定期船に乗り、尾仁牙島へと出港した。


「うわあ、海きれい〜!」


 二階のデッキに出ると、青い空と青い海が出迎えてくれた。
 

「風強いけど、いい眺めね」


 くるんとした長い髪を抑えつつ、めきゆはさり気なく勇治の隣に立った。



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