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【参加型小説】尾仁牙島

第6章 乗船

「ちょっと、待ちなさいよ……あっ!」


 その時、船がグラリと揺れた。
 手摺から手を離していためきゆは、よろめく。


「……おっと、危ない」


 よろめいためきゆの身体を支えたのは、ユウだった。


「大丈夫かい? 波が高くなってきたので、中に入った方がいいですよ」

「あら、ユウさん。ありがとう」


 めきゆはユウの足元を見た。そこにはジュラルミンアタッシュケースがある。


「それ……よっぽど大事な物みたいね」

「ああ、これですか?」


 めきゆはユウがジュラルミンアタッシュケースを肌見離さず持っていることに気付いていた。


「一体、何が入ってるのかしら」

「それは尾仁牙島に着いてからのお楽しみです」


 ユウはニコッと笑った。
 

「あら、何か披露してくれるの? それは楽しみね」

「楽しみましょう、尾仁牙島で。僕も久しぶりにワクワクしてるんですよ」



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