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【参加型小説】尾仁牙島

第6章 乗船

「確かにウサギさんやリスさんがいますもんね。寝てるところお邪魔したら可哀想です」


 小夏が隣でそう言ったので、柚里は思わずフッと笑った。


「え〜じゃあ、こっそり抜け出して夜のデートとかできないんですかぁ? せっかく展望台に呼び出して、一緒に夜景を楽しもうかと思ったのに」


 千代がそう言うと、


「バカね、あんた。都会じゃないんだから、真っ暗よ。それに小さい山だからってナメちゃだめ。あと海にも近づいちゃだめよ」

「え〜、山がだめなら海って思ったのに」

「千代さん、夜は本当に危険です。夜は建物から出ないようにしてください」


 レシピェールと月(るな)から止められて、千代のテンションが下がった。


「おや、可愛らしい巫女さんですな。あなたもこのツアーに?」

「……はい。色々と、お世話になります」

「……」


 村長は無言でにやりと笑った。




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