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【参加型小説】尾仁牙島

第6章 乗船

「ふふっ、勇治。夜こっそり抜け出してデートしようね」


 シェリーは勇治の腕に絡みつき、べったりくっつく。


「話を聞いてなかったのか? 夜の外出は危険だぞ」

「大丈夫よ、勇治は空手できるんでしょ? 私を守ってね」

「あのな、俺は……」

「それに私にはライラがついてるもの」

「ライラ?」

「あっ……なんでもない」


 シェリーは慌てて口をつぐんだ。訝しげな目でシェリーを見つめる勇治を、めきゆは横目で見つめて「ふぅ」とため息をついた。


「わかってはいたけど、ほんと何もないわね」

「いいじゃないですか、自然いっぱいで」


 めきゆの隣に立っているユウは大きく深呼吸をした。


「それにしても、夜は建物から出ないようにだなんて……それならキャンプもできませんよね」

「確かにそうね。ちょっと武藤さん? 話が違うんだけど」


 めきゆは武藤に詰め寄った。



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