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【参加型小説】尾仁牙島

第7章 ゲーム② 昼食

 一方、狩猟班は山菜班と別れて、山の奥へと進んだ。


「ねえ、レシピェールさん。この熊よけの鈴って、猪にも効果あるの? これ鳴らしてたら、猪逃げちゃうんじゃない?」


 千代は足場の悪い山道を歩きながら、レシピェールに問いかけた。


「そうねぇ、効果あるといえばあるけど、ないかもしれないわね」

「どっち!?」

「個体によるのよ。人間慣れしてる猪だったら、逆に人間が食べ物持ってきたと思って襲ってくるわね」

「ええっ!?」

「大丈夫。そしたらアタシがこのフライパンで……こうするから!」


 そう言うとレシピェールは背中のリュックから大きなフライパンを出して、縦に振りかぶった。


「なんでフライパン……」

「ふふっ。フライパンはアタシの持ち武器なのよ」

「フライパンが武器? ちょっと何言ってるかわかんない」


 だけど自信に満ちたレシピェールの姿は、充分千代を安心させた。



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