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【参加型小説】尾仁牙島

第7章 ゲーム② 昼食

 その鐘の音は、狩猟班のすぐそばでも鳴り響いた。


「きゃあっ!」

「――千代ッ!」


 突然鳴り響いた鐘の音で、千代はバランスを崩し足を踏み外した。背後は崖になっており、レシピェールが手を伸ばさなかったら落下していた。


「ちょっと、大丈夫!?」

「……な、なんとか……」


 千代はレシピェールに抱きしめられたまま、身震いした。


「……今の音、なに?」

「わからないわ……。鐘の音みたいだったけど」


 千代とレシピェールは山の頂上を見上げた。


「やっぱ頂上から聞こえたよな」

「まるでお寺にある鐘の音みたいでしたね」

「……っ……」


 勇治、ユウ、月(るな)も同時に頂上を見つめる。


「確か、4回……鳴ったわよね」

「そうですね」

「お昼の合図かしら?」

「まさか、もう12時過ぎてますよ」

「……千代、立てる?」


 レシピェールは自分の胸の中で震える千代に優しく声をかけた。



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