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【参加型小説】尾仁牙島

第7章 ゲーム② 昼食

 千代は立ち上がろうとして顔を歪ませた。


「……ごめん、足くじいちゃったみたい。あたしのことはほっといて……」

「お馬鹿! 放っておくわけないでしょ! 熊に食べられたいの!?」

「ヒッ! 嫌です、嫌ですぅ〜!」

「もう、ほんっとに世話が焼けるんだから」


 そう言うと、レシピェールはしゃがんで千代に背を向けた。


「え?」

「え、じゃない。おんぶすんのよ。ほら、捕まって」

「えっ、でも……。そしたら狩りができなくなっちゃうじゃん……」

「いいのよ、狩りはいつでもできるんだから。なんなら、あんたを宿に送ってから一人でも狩ってこれるし」

「そうですよ、千代さん。まずは怪我人が優先です」


 ユウの言葉に、勇治と月も頷く。


「あの鐘が鳴ってから、嫌な予感がします。早く山を降りましょう」


 何かを感じるのか、月は辺りを見回してそう言った。


「ううっ……お願いします……」


 5人はこの判断が正しかったと、後ほど知ることになる。




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