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【参加型小説】尾仁牙島

第7章 ゲーム② 昼食

 一方、武藤とシェリーは山の中の滝のそばに移動していた。鐘の音は滝の音に消され、二人の耳には届いていない。


「キャハッ、気持ちいい〜」


 シェリーは靴を脱いで川の中に入り、足のふくらはぎまで浸かって水浴びをしていた。そんなシェリーがはしゃぐ様子を、武藤はぼうっと眺めている。しかし何気なく腕時計を見て焦り始めた。


「やばい、もう15分経ってる。シェリーさ〜ん! そろそろ戻らないと、小夏さんたちが心配しますよ〜!」

「なぁ〜にぃ〜? 何言ってるか聞こえないんだけどぉ〜!」


 滝の音で、お互いの声は消されてしまう。


「もう、仕方がないなぁ……」


 武藤も靴と靴下を脱いで、ジーンズを膝まで捲り上げる。そして川の中に入り、シェリーのそばまで近づいた。


「武藤さんも水浴びするの?」

「違います。そろそろ戻らないと」

「え〜っ、もう少しいいじゃない。きっとあの二人だって、今頃イチャイチャしてるわよぉ〜」



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