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【参加型小説】尾仁牙島

第7章 ゲーム② 昼食

「何言ってるんですか。お手洗いに行きたいって言うから、すぐ戻るつもりで離れたのに、こんな場所まで来てしまって……。きっと今頃僕らを探してますよ」

「そうかな? 私だったら二人きりになって、ラッキーって思うけど」

「とにかく今は早く戻りましょう。僕たちを探して、お互いすれ違ったら大変ですから」

「んもう、武藤さんったら真面目なんだからぁ……」


 シェリーはしぶしぶ川の中から上がった。すると武藤が首に巻いていたタオルをシェリーに差し出してくれた。


「嫌じゃなければ、これで足拭いてください」

「気が利くのね、ありがとう」


 シェリーが靴を履き終えると、どこかでスマホの着信音が流れた。


「あれ? やだ、私のスマホ、あんなところにある〜!」


 鳴っているのは、シェリーのスマホだった。しかしシェリーのスマホは川の向こう側にある岩場に置かれていた。


「濡れたらやばいからって置いたんだったわ」


 テヘッと舌を出しながら、シェリーは靴のまま川の中に入った。



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