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【参加型小説】尾仁牙島

第7章 ゲーム② 昼食

「……うっ……」


 武藤はゆっくりと立ち上がった。
 頭がフラフラする。じっとしていた方が良さそうな気もするが、シェリーのことを放っておけない。


「……いったい、どこへ……」


 辺りを見回しても、二人の姿は見えない。もしかしたら森の中へ入っていったかもしれない。


「……追いかけないと……」


 こんな状態で追いかけてもなんの役にも立たないかもしれない。でもシェリーは大切なお客様だ。しかもよくわからない鬼のような人間に追いかけられている。


「……鬼? 人間?」


 さっきのあれは、どっちなんだろう。
 鬼の姿をした人間だと思ったが、それにしては力が凄まじかった。
 そしてシェリーの様子もおかしかった。まるで別人だった。


「ライラ……?」


 そういえばその名前をどこかで聞いたような――。そうだ、バスの中での自己紹介の時に、最初シェリーは自分のことをライラだと紹介していた。


「一体どうなってるんだ……」



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