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【参加型小説】尾仁牙島

第7章 ゲーム② 昼食

 武藤はとにかくシェリーを助けようと、スマホを取り出した。その時ちょうど、着信音が鳴った。


「……はい、武藤です……」

『武藤さん? 今どこにいますか?』


 電話をかけてきたのは、湯豆川 柚里(ゆずかわ ゆずり)だった。


「柚里さん……」

『お二人とも急にいなくなったので、心配しましたよ! 今どこにいますか?』

「何も言わずに、急に居なくなってすみません……。今は滝のそば……そこから北に10分くらい歩いたところに川があって……そこに……」

『滝のそばですね。わかりました』

「あっ……危険なのでこっちに来ないでください!」

『……え?』


 柚里たちが来たら、鬼と鉢合わせして襲われてしまうかもしれない。


『どういうことですか? 危険って……何かあったんですか!?』

「……っ……」


 武藤は言うか言うまいか、悩んだ。鬼が現れたと言っても、信用してもらえるかどうか……。
 いや、今は悩んでる場合じゃない。



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