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【参加型小説】尾仁牙島

第7章 ゲーム② 昼食

「シェリー、避けろ!」


 その時、勇治の声がしたかと思うと、鬼の身体が地面に叩きつけられた。一瞬で懐に入った勇治が、鬼を背負い投げしたのだ。

 
「お……」

「シェリー、大丈夫か!?」

「お前っ……邪魔すんなよ!!」

「はっ?」


 思ってもみない言葉を投げかけられて、勇治はキョトンとした。


「なんだ、こいつ白目向いてんじゃん! あ〜あ、せっかく楽しく遊んでたのにさぁ!」

「遊んでた……?」

「あ〜つまんね! 手柄横取りとか、ないわ」

「……」


 勇治はシェリーの豹変ぶりに戸惑いを隠せない。


「シェリー! 勇治さん! 二人とも大丈夫!?」


 バタバタとレシピェールがシェリーたちのもとに駆けつけてきた。


「鬼は!?」

「鬼ならここに……」


 そう足元に目線を落とすと、すでに鬼の姿はなかった。


「いない!? まさか、少し目を離した隙に逃げた!?」


 辺りを見回すが、鬼の姿は見当たらなかった。



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