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君と優しさはずるい

第13章 治療


ハァ…ハァ…ハァ

キツい…キツかった…吐き出したら吐き気も治まった

水を飲ませたのは吐き出しやすくして私を早く楽にさせるためかな……感謝してるけど許さない……あんなに何回も胃を強く押してわざと吐き気を誘発させたこと

あれが1番苦しくてキツかった……

そんなことを思っていると先生は私の部屋へと戻ってきた

そして流れるように私のおでこと首に手を当ててセルフ体温計で私の体温を確認した

先生の雰囲気からして熱は無いみたい

そのまま先生は私の頭を優しく撫でた。手から頑張ったなって言ってるのが伝わる

暖かい……でも許さない…あんなに苦しかったの先生のせいだもん

私は残り少ない体力を使って先生の手を払って少し先生から遠ざかった

すると先生は私が向いている方に回ってまた椅子に座った

そしてまた優しく撫でた始めた

なんでそんなにしつこく頭を撫でるの……

「いつから我慢してた?清水さんが来た時はどうだったの?」

「…………」

私は目を逸らして黙った

先生のため息が聞こえる

「はぁ……せな?先生と朝約束したでしょ?」

怒ってるけど言い方が優しい…朝とは大違い……

「さっきせな頑張ってたからもうこれ以上怒らないけど次はちゃんと看護師さんか、先生に言うこと。約束しないと次は本気で怒る」

本気で怒るって絶対怖いじゃん……もうやだ……嫌なことされるってわかってるから言えないんだよ……


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