君と優しさはずるい
第17章 出張
はぁ……。出張か……
星菜の体調が心配なんだよな。副作用の熱は一旦治まったがまた他の副作用が出てくるかもしれない。
1番心配なのはあのアルバイト。立場が上の人だけには良い人を装っているが仕事は雑だし看護師や研修医に仕事を丸投げ。
親が有名な医者だからって威張っている。
なにかをやらかす未来しか見えない。何も無いといいんだけどな
それに星菜だって俺と前担当医、優真以外の医者に診察をされた事がない。だから受け入れてくれるか
俺に担当医が変わって最初の診察の日も結構手こずったんだよな…
確かあの時は星菜が診察室の壁際の隅っこに体育座りをして顔を隠して“私は診察絶対に受けません”オーラが半端なかった
優真は大丈夫だよ、怖くないよって星菜を励ましていたが効果はなく強行突破で優真が抱き上げてベットに運ぶともう大暴れ
そして星菜がパニックを起こして過呼吸になりかけてたから一旦診察は止めようってなって落ち着くのを待った
結局前担当医の佐々木先生が来てくれて、優真と星菜と仲の良い看護師さんが数名来てみんなで慰めながら俺が診察をした。終始大号泣に大絶叫だったけど
あの時は外来じゃなくて初めてだからゆっくり時間かけてやろうってなって入院中に俺の診察室で診察をした
そして外来では1人あたりの時間が限られているためグズグズする星菜を今までたくさん叱って診察を頑張ろうって無理やりにでも思わせてきた
そのせいか毎回外来の時は診察室に入った瞬間から泣きそうな顔だし、入院中も俺が来ると嫌そうな顔や、少し怯えた表情をしている
付き合いが長くなると俺が何もしないってわかってる時は怯えた表情はなくどうしたの?って言わんばかりの頭に?をうかべた顔をする。最初の頃は何もないってわかっていても嫌そうな顔をしていた