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君と優しさはずるい

第15章 副作用②


中々ナースコールを星菜が押さないから少し気になって様子を見に部屋へ行った

トントン

ノックして部屋に入る。星菜は薬とにらめっこしていて俺が部屋に入ってきたことに気がついていないみたいだ


薬を飲んで俺の存在に気づいて吸入を嫌がる星菜を上手く誘導して今星菜に自分で吸入器を持たせた

「今日は自分で持ってして。星菜がずるしようとしたら先生いつも通り抑えてやり直しさせるから。頑張るよ」

そして俺は星菜がマスクを口に当てたことを確認してスタートボタンを押した

「ゲホッ…ゲホッゲホハァ…くるゲホッ…しゲホッゲホ…ハァ…」

星菜はすぐにむせ始めた

もっと楽に呼吸出来たらいいんだけどな…

星菜は苦しさから少しマスクを浮かそうとした。

俺はすかさずマスクを抑えた

「星菜。それはダメ。苦しいけど頑張るよ」

そして俺は星菜のベットに腰掛け少し俺にもたれかけさせマスクを軽く押えた

すでに星菜の目からは涙が流れていた

俺は親指でそーっと涙を拭って空いている片方の手で星菜の頭を優しく撫で続けた

しばらく時間が経つと星菜は少し嗚咽も混じり激しくむせるようになった

「ゲホゴホゴホッ…ハァヒクッゲホゴホッ…ゲホゲホゴホッヒクッ…ハァハァ…ゲホゲホゴホッ」

咳が激しくなって薬が全く吸えてないな。一旦休憩させて落ち着かせるか

「星菜深呼吸、ちょっと機械止めるよ」


俺は声をかけてすぐに停止ボタンを押した

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