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君と優しさはずるい

第16章 中庭へ

女の子は隣に座ると手に持っていた本を読み始めた。

私は女の子の事が気になってついチラチラと見てしまう。女の子は私の視線に気づいたのかチラッとこっちを見た。すると目が合ってしまった。私は慌てて目を逸らした

「……あの、、、」

女の子は少し困った顔をしてこっちを見た

「あっはい!」

私は慌てて返事をした

「……あの…どうか…されましたか?」

「ごめんなさい!気になっちゃってつい……苦笑」

私が少し苦笑いしながら言うと女の子は読んでいた本を閉じて私の方を見た

「あの…よければ一緒にお話しませんか?」

女の子は少しニコッとして言った

「えっ!本当に!?私も話したい!あっ初対面なのに敬語外しちゃってごめんなさい!嬉しくてつい……苦笑」

「全然いいですよ。多分私の方が年下だと思いますし」

「ありがとう!私にも敬語じゃなくていいよ!」

「いえ、年下なので」

女の子は少し会釈しながら言った

「そっか〜あっ!名前なんて言うの?」

「みおです。中村美桜って言います。お姉さんの名前教えて頂けますか?」

「私はせな!望月星菜だよ!美桜ちゃん!歳はいくつ?」

「今は12歳です。今年の12月で13歳です。」

「えっ!中1なの?!この前小学校卒業したばっかりだね!美桜ちゃん大人っぽいから高校1年生ぐらいかと思った!中学校は楽しい?」

私はニコニコの笑顔で興味津々に美桜ちゃんに聞いた

美桜ちゃんは少し間を空けて応えた

「まだあまり学校に行けてないので分かりませんが楽しそうです。友達が写真で今日の様子とか送ってくれるので私はそれを見て楽しんでいます。ところで星菜さんはおいくつですか?」

「早く学校行きたいよね〜!私も早く退院したいな。私は16歳だよ!今年で17歳!今は高校2年生!」

「お姉さんですね、高校ってどんな所ですか?」

「ん〜全部が青春に思える場所かな?勉強も大変だけど楽しい事がたくさんあるよ!」

「そうなんですね、少し楽しみになりました」

それから私は美桜ちゃんにたくさん質問してたわいのない会話をして楽しんだ

美桜ちゃんから見た私はしっぽを振っている犬に見えたと思うな〜笑

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