君と優しさはずるい
第4章 何にもできない俺は弱い
「颯真兄…俺やっぱり医者向いてない…」
俺の思った通りの事だったな。とりあえず話を聞く
「なんでそう思うの?」
真凰は下を向きながらポツポツと話し始めた
「俺は優兄みたいに泣いている星菜を診察することできないし、医者でもない俺は星菜に何もしてあげられない。星菜はいつもネガティブな俺を元気づけたり勇気をくれたり、俺を新しい世界へ連れていってくれる。でも俺はいざ大事な妹が苦しんでいるって時にいつも逃げてる。星菜はどんな時でも前を向いてて強い。でも俺は逃げてばっかの卑怯で弱い。いっその事俺が星菜の変わりになれたらいいのに」
本当にこのシスコン…苦笑
星菜に彼氏が出来たら1番反対しそうなやつだな笑
こんなに可愛い星菜に今まで1回も彼氏が出来たことがないのはこいつのせいか?笑
「まお?真凰はまだお医者さんじゃないんだから星菜を治せないに決まってるでしょ?それに星菜は真凰に治してもらいたいなんて思ってないはずだよ。星菜はただ真凰にそばにいて欲しいってだけ思ってるはず。だから真凰はただ星菜に寄り添ってあげるだけでいいの」
「でも俺泣いてる星菜見れない…」
「大丈夫!真凰が見れないのは診察や治療をされてる星菜であってただ泣いている星菜を見られないわけじゃないから!」
真凰は納得いかなそうな顔でこちらを見た