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君と優しさはずるい

第4章 何にもできない俺は弱い


「それに今日の朝だって和兄の診察を嫌がる星菜を上手く誘導してくれたでしょ?こんなこと兄さん達もなかなか上手くできないんだよ?あとは学校での星菜を1番近くで見守ってくれてるから俺も兄さん達も安心して星菜を学校に行かせることが出来てる。逆に俺たちは真凰を頼りすぎて頭が上がらないくらいだよ?笑」


「…本当にそうなの?」

真凰はきょとんとした顔でこちらを見た


「ふふ笑、本当だよ?今ここで嘘ついた所でなんの意味もないでしょ?笑」

「それもそうだね」

「あ、でも星菜の前で俺が星菜の変わりになれればよかったなんて言っちゃダメだよ!その言葉は一生懸命に頑張ってる星菜を否定することに繋がるからね?」

「うん、わかった。ごめん」


「あと真凰は卑怯でも弱いでもない!真凰は相手のことを深く考えられる優しい心を持ってる。だから少し落ち込みやすいんだよ?お兄ちゃんはそんな優しい心を持ってる弟がいると思うと誇らしいな笑」

俺はニコッと笑って真凰の頭をポンポンと撫でた

真凰は少し照れくさそうにし、笑顔になった

「あと強いて言うなら真凰は星菜にとっての心の安定剤かな、真凰が星菜がいないとダメなように星菜も真凰がいないとダメなんだよ?なんでかわかる?」

「双子だから?」

「んーそれもあるけどお互いがずっとそばにいたからだよ!知らず知らずのうちにお互いがなくてはならない存在になってる、だから星菜の診察が終わったら2人で一緒に星菜を慰めに行こ?」

真凰は少し考えた後に頷いた

すると部屋をノックする音が聞こえた

「ほら和兄が呼びに来たんじゃない?」

真凰にそう言って俺は返事をしてドアを開けた

やっぱり和兄で星菜を慰めてあげてだった

「ほら真凰も一緒に行こ?」

そして和兄は自室へ行き、颯真と真凰は2人で星菜のいる和室へと向かった

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