君と優しさはずるい
第6章 病院
「うッヒクッグスッ…グスッヒクッ…ハァヒクッ…大泣」
星菜はもう泣きすぎて嗚咽混じりの呼吸をしていた
玲と一緒にでてきたからたぶん直接刺激されたんだろうな…はぁ…こんなに泣いている星菜を見ると俺まで泣きそうになってくる
「せな〜?頑張ったね〜大丈夫大丈夫もう終わったからね〜」
俺は泣いている星菜を抱きしめた
平日の午前中ということもあり患者さんは少なかった。星菜はあまり目立つのが好きじゃないから待合室で泣く時も控えめだけど今日はそんなの気にすることが出来ないぐらい泣いている。
まぁ声はタオルで押し殺してるみたいだけど
このタオルたぶん玲が準備してくれたんだろうな…星菜が持ってるお気に入りのタオルのセットで売ってあるもう1つの色違いのタオル
星菜はたぶんこのタオルが自分のお気に入りのタオルのもう1つの方には気づいてないな
とりあえず診察室に呼ばれるまで星菜の背中を優しくぽんぽんとしながら星菜の気が済むまで泣かせてあげる