君と優しさはずるい
第8章 検査入院
検査室に入ってから星菜は俺に抱きついて涙を流していた
「咲月先生、点滴も検査の準備も全部できてますのでいつでも始められます」
検査室で準備をしてくれた看護師さんが俺に一言言った
「ありがとうございます、星菜?準備できたって。早く終わらせような」
そして俺が星菜を引き離そうとすると星菜は思いっきり抱きついてきた
「せな?今は頑張る時間。少しだけチクッとしたらあとは眠ってる間に終わるからね?」
俺はなるべく星菜が怖がらないように優しい声で頭を撫でながら言った
「グスッいや〜ヒクッ…やだグスッ泣」
1分ほどただ嫌だと言って泣く星菜を抱っこしたまま俺は椅子に座り、星菜を優しく撫でた
1分経った
「よし、そろそろ頑張るよ。俺が抑えてるんで針刺してもらっても大丈夫ですか?」
玲は看護師さんに聞いた
「わかりました。」
看護師さんはいつでも針を刺せる準備が出来ていた
「星菜?少し頑張るよ」
そして俺は星菜を引き離して、看護師さんと正面で向かい合えるように体制を変えた
もちろん星菜は点滴されないように腕を引いて涙を流している
俺は星菜の左腕を片手で固定し、右手と上半身を一緒に片方の手で抱きしめる形で固定した
「星菜ちゃ〜ん、少しだけチクッとするよ〜!ごめんね〜」
看護師は星菜の腕にサッと消毒をした
「やだやだやだ〜ヒクッいや〜グスッゆうにグスッいや〜泣」
「星菜大丈夫だから暴れないよ〜」
俺が固定を強めると、看護師は星菜の腕に針を刺した
針を刺されると星菜は諦めたのか大人しくなった