君と優しさはずるい
第9章 初めての出会い
家の中に入れば母さんがいる。だから俺の検査結果をすぐに聞かれることが目に見えている
母さんを心配させるわけにもいかず、少し1人で考えたかったため俺は家の玄関のドアの前の階段に座っていた
すると小さな子の声が聞こえボールがこちらに転がってきた
俺は片手に検査結果の紙を握ったまま近くに転がってきたボールを拾った
すると目の前に小さな女の子が現れた
「あっ!せなのボールあった!お兄ちゃんせなのボール拾ってくれてありがと」
そして俺はボールを小さな女の子に手渡しした
ボールを渡した時に検査結果に乗っていた病院のマークがこの女の子に見えたらしい
「あっ!せなそのマーク知ってるよ!お兄ちゃんもどこか悪いの?」
俺は咄嗟に検査結果を隠した。お兄ちゃんもってことはこの子もどこか悪いのか
「どこも悪くないよ?君はどこか悪いの?」
俺は女の子の目線までしゃがんで聞いた
「君じゃない!せなだよ!せなはね〜たくさんゴホンゴホンしちゃうの〜!びょーいんの先生がいつも治してくれるんだ〜!いっぱいチックんされちゃうけど」
そしてせなちゃんは左手にあった注射の跡のシールを見せてきた
「せなちゃんって言うんだね、頑張ったね」
俺はせなちゃんの頭を優しく撫でた
すると家族の人か誰か来た
「せな〜どこにいるの〜?あっいた!」
俺と同級生ぐらいの同じ制服を着た男の子が現れた