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君と優しさはずるい

第9章 初めての出会い


「まって!れい?久しぶりー!」

俺も驚いた。目の前には優真がいた

「久しぶり」

優真はせなちゃんの頭を撫でながら俺の方を見てニコッと笑った

「ゆうに!お兄ちゃんのこと知ってるの〜?」

せなちゃんは優真の方を見上げて聞いた

「知ってるよ〜、せなの言ってるお兄ちゃんはれいくんって言う名前で俺の幼なじみなんだよ〜?」

「おささななみ?おささななみってなに〜?」

「幼なじみだよ?幼なじみっていうのはゆうにが小さい時かられいくんと一緒に遊んでたりしてたってことだよ〜」

「じゃあゆうにとお兄ちゃんは仲良しなんだね〜」

せなちゃんはニコッと笑って優真と俺の方を見ながら言った

今の俺にとってはこういう純粋な笑顔が救いなのかもしれないな

「中学入ってかられいとクラスずっと離れてて気になってたんだよな〜、しかもれいしばらく学校来てなかっただろ?なんかあった?俺でいいならいつでも相談乗るからな」

優真は俺にそう言ってくれた。するとせなちゃんが話し始めた

「お兄ちゃんねせなと同じびょーいんのマーク持ってた!」

「病院のマーク持ってた?あ〜検査結果の紙ってこと〜?」

「うん!」

「えっ、れいどこか悪いの?」

「………」

俺は隠していたことが優真にバレて言葉を詰まらせていた

少し沈黙があると優真の1つ下の弟である和真が来た

「優兄、父さん帰ってきた。星菜が外で遊んでるって聞いて少し怒ってるから早く帰った方がいいかも」

そして優真もせなちゃんも顔を曇らせた。

「せな帰るよ〜、お父さんがお家に帰ってきたみたいだからね?」

「せな帰らない!!お父さんやだ〜」

嫌だとぐずるせなちゃんを優真は抱き上げた

「れい?話したくないなら言う必要ないし、俺は忘れるから気にすんなよ!あと星菜がれいのこと気に入ってるみたいだからまた家に来て遊ぼうな〜」

そして優真は俺に手を振って、泣き始めたせなちゃんを抱っこしたまま帰った。和真くんも俺に一礼して一緒に帰っていった


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