君と優しさはずるい
第9章 初めての出会い
せなちゃんが眠っているそばにいき、頭を優しく撫で手上げた
掛け布団から手が出ていたため中に入れてあげた
その手の甲には昨日とは違う注射の跡のシールが貼ってあった
「そういえば玲くん、私の旦那さんから聞いたんだけど心臓は大丈夫?もちろんこの事は優真達は知らないから安心してね」
なんで優真のお母さんがこの事知ってるんだろう
「なんで知ってるの?って顔してるわね笑、玲くんをこの前担当してたのは優真のお父さんだよ?初めて知ったでしょ?笑」
確かに苗字は一緒だなっては思った。それに優真のお父さんとはあんまり面識がなかった
多分あの時の担当は救急で循環器内科の医師が呼ばれて担当したって感じだから多分もう担当じゃないかな
それに優真のお父さんは開業医でもあるから
話を聞いてるなら別に隠す必要も嘘をつく必要も無いか
「心臓はあまり良くないみたいですね、入院して発作をコントロールしないといけないみたいです」
「玲くん入院予定日は決まってる?」
「正確には決まってはいませんが今すぐ入院して欲しいとは言われました」
「玲くんと同じタイミングで星菜を入院させる方が安心ね」
優真のお母さんは少し考えてボソッと言った
俺が黙っていると慌ててまた話し始めた
「あ、ごめんなさいね〜、昨日の検診で星菜も本当は入院しないといけないんだけど1人は嫌だ怖いって大号泣して毎日病院に通って点滴を受けるって言う感じに今なってるのよね〜。でも正直いつ発作が起きてもおかしくないから病院にいた方が安心なんだけどね」
せなちゃんは今日も病院に行って点滴したのか。ちゃんと頑張ってて偉いな。俺は今逃げてる
俺もちゃんと向き合わないといけない
「せなちゃん今すぐ入院した方がいいですよね?」
俺は優真のお母さんの方を見て聞いた
「まぁそうね〜、早い方が安心かな〜」
「わかりました、僕も明日から入院します。だからせなちゃんも入院させてください。入院中は僕がせなちゃんのこと見るので」
いきなりのことで少し優真のお母さんは困惑していたがすぐにわかったと言ってくれた