キス魔は浴衣で燃える
第2章 2.到着
「わかんないよー。俺のどこがそんなにいいの?」
「前もそんなだったけど、お前ってそういうとこ本当に無自覚だよな。天然?」
「天然キャラとか。俺から程遠いでしょ」
「いや、天然。天然フェロモン系」
「なんだそれ。それこそ遠すぎ」
さっきまでの剣呑な空気はどこへやら。すぐ傍まで迫っている慶人と顔を見合わせてくすくすと笑う。
そして申し訳程度に浴衣を直してみて気づいたけど、確かに意図していないはだけ方はしてたかもしれない。とはいえ女の子ならまだしも俺がはだけてるからって性的に思うのは慶人だけだろうし、フェロモン系とはとてもじゃないが名乗れるものじゃないと思う。
「今のでお腹空いたからご飯いっぱい食べられそうだね」
「……本当に俺、お前のそういうとこに救われてる」
指先を絡めるように握り合って、俺の言葉に優しく笑う慶人は、力の抜けたいい笑顔をしている。
慶人が俺の価値をどういうところに見いだしているかよくわからないけど、こんな顔をさせられるなら俺も捨てたもんじゃないなと思った。
「前もそんなだったけど、お前ってそういうとこ本当に無自覚だよな。天然?」
「天然キャラとか。俺から程遠いでしょ」
「いや、天然。天然フェロモン系」
「なんだそれ。それこそ遠すぎ」
さっきまでの剣呑な空気はどこへやら。すぐ傍まで迫っている慶人と顔を見合わせてくすくすと笑う。
そして申し訳程度に浴衣を直してみて気づいたけど、確かに意図していないはだけ方はしてたかもしれない。とはいえ女の子ならまだしも俺がはだけてるからって性的に思うのは慶人だけだろうし、フェロモン系とはとてもじゃないが名乗れるものじゃないと思う。
「今のでお腹空いたからご飯いっぱい食べられそうだね」
「……本当に俺、お前のそういうとこに救われてる」
指先を絡めるように握り合って、俺の言葉に優しく笑う慶人は、力の抜けたいい笑顔をしている。
慶人が俺の価値をどういうところに見いだしているかよくわからないけど、こんな顔をさせられるなら俺も捨てたもんじゃないなと思った。