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緋色の罠

第4章 緋の誘惑〜屈辱のストリップショウ

 病気にかかったように身体がブルブル震えて、熱くなったり寒くなったりする。つらくて恥ずかしくて涙が止まらない。

無理を承知のうえで、見ないでくださいと言ったわたしの弱々しい声は冷たく拒絶された。

「あああ…うぅ」

 観念したわたしは、ねっとりと纏わりつくような視線にじっと見つめられながら、普段は秘め隠している最も恥ずかしい部分を覆っていた薄い布を、自らの手で脱ぎはじめた。

 その部分に痛いほど突き刺さってくる視線を少しでも避けたくて、片腕で胸を抑えたまま横を向いた。もう片方の手で、ショーツのウエストのゴムに親指を引っ掛けて、ゆっくり下してゆく。

 指先が震えているし片手ではうまく脱げなかった。どうせ見られてしまうとわかっていても、胸を隠している腕はどうしても外せない。

 途中で何回も引っかかりながら膝まで下ろし、躰を屈めて片脚ずつ抜いて、彼から隠すように丸めたそれを手の中に握りしめる。

 噛みしめた唇から情けない嗚咽が漏れ、うつむいた頬を流れ落ちた涙が、リビングの床に敷いた絨毯に染み込んでいった。

「脱いだパンツをよこしなさい」
「えっ!!そんな!イヤッ、イヤです!!」

 無慈悲な声に、握りしめた片手を背中に隠した。手の中には脱いだばかりの小さく丸めたショーツがある。

 隠すものがなくなってしまった下腹部が丸見えになっていたが、それを忘れるほどわたしはパニックに陥っていた。

「よこしなさい。きみは僕に逆らえないんだ。さっき何でもしますって誓ったのを忘れたのかい」
「ああ…いやあ…」
「さあ…」

 差し出された手が涙で歪んで見えた。逆らえないと分かっていても、全身が激しく震えるほどの恥辱に目の前が暗くなる。

「うぅ…ううっ…」

 泣きながら、ギュウッと握りしめていた小さな薄い布のかたまりを、目の前に突き出された無慈悲な手の上にそっと落とした。

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