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フラワーアレンジメント

第1章 フラワーアレンジメント

 ⑩

「フラワーアレンジメントコーディネーターとしての…
 アナタの…

 いや、和也さんの最大限のこだわり…

 ううん、プライドってなに?…」

 突然、響子さんは訊いてきた。


「え…、そ、それは…」

 そう訊いて来る響子さんの目は…
 なんとなく高鳴り、昂ぶっているように見えていた。

 顔の表情も…

 いや、なんとなく全体的に…
   
 昂ぶりのオーラを発しているように感じてきていた。

 多分、きっと…

 俺は花を中心とした『美』というモノを追求し、探求しているコーディネーターであり…

 かたや響子さんは、女性の永遠のテーマである『美』そして『美しさ』をやはり同じように追求し、探求している、ある意味女性の…

 人間のコーディネーターであるから…


 そんな根底にある共通点に対してのお互いの心理、真理、真意の想いの高鳴りと昂ぶりなのだと思っていた。

 その時までは…

 

「和也さんのコーディネーターとしてのプライドって?…

 なに?…」



「え、そ、それは…」


 俺も…

 かなり高鳴り、昂ぶっていた…


 そして、なぜか、違う意味での昂ぶりも、秘かに感じてきていたのだ…



 それは…

 響子さんの目の奥に微かに燻っているもう一つの輝きに…


 俺の中の男の本能が無意識に気付き…

 そして…

 魅入られたからかもしれない…


 響子さんの目が…

 隠しているオスの本能を…

 刺激してきていた…

 いや…


 響子さんのメスの目が…





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