慕情
第24章 開会式
貴殿様と貴女様は老師様に
悟られないように神楽に対して微笑み…
逆に老師様は…眉間に皺を寄せ…
こめかみには青筋が立っていた…
たくさんの視線は…先輩やら同期…
後輩達の視線だった…
僅かながら、ひそひそ話が聞こえる…
「ハハ…俺…やらかした…?」
と、神楽は老師様の顔色を伺いながら
自分の頬を指で掻きながら…そう答えた…
神楽は、ふと何かを思い出し
すぐに気持ちを切り替え…
「あっ、此処まで来れたって事は…開会式に
間に合って…脱落じゃないって事だよな?」
神楽の顔はパァっと明るくなり…
神楽は泡沫と宵闇を交互に見て…
最後に老師様に何食わぬ顔で質問した…