慕情
第30章 泡沫の異変
「ゴホン…ッ…お二人さん…?
俺が居る事を忘れないでね?」
神楽は苦笑いしながら、
ふたりに、そう言った…
「えっ?いや…忘れてないよ…?
そ、それより神楽の衣を脱がなきゃ…」
泡沫は慌てて否定したが…
「俺は忘れてたな…」
宵闇は冗談交じりに、そう言った…
「アハハ…泡沫、気にするなよ…
衣は脱げば良いんだよ…
それより宵闇は一言、多いぞ?」
神楽は上衣を脱ぎ捨て…
薄手の衣一枚の姿になってしまった…
「ちょ、ちょっと…その姿は…
僕の替えの衣を貸すから…それを着なよ…」
泡沫は慌てて、そう言うと自分の
持ってきていた衣を神楽に貸してあげた…
今の神楽は
誰が見ても妖艶な姿そのものだった…