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慕情

第3章 紫仙の過去


「私は何もしておらぬぞ?ただ金銭面は、
支援してやったが…医術の面では泡沫と神楽
で書物を記してくれて…この国に貢献して
【神仏の領域】を栄えてくれたではないか」

 貴女様は敬意を示し、そう言った…

「俺は、もともと医術の方は無知だった…
でも薬師のお前に色々、教えて貰って…
険しい山に妙薬を採りに行ったり綺麗な水を
汲んだりしただけ…」

 それから…と、続けて神楽は…

「あとは顔色とか生活習慣とか…
立ち振舞い…言動…身体を触れれば、どこが
悪いとかも…あぁ…数えたらキリがない…」

 兎に角、俺は、泡沫に色々、
教えて貰ったから…俺らのお陰でもないよ…

 と、神楽は掌を上にして
肩を竦めて、そう答えた…

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