慕情
第42章 協力者
すると…
「うっ、うっ…うぎゃー、おぎゃー…
うぎゃっ…うぎゃっ、…おぎゃー…」
月詠は耳の鼓膜が破れそうなくらいの
鳴き声が【仙人の領域】に響き渡る…
「おや、おや…君達が仲良く会話を
しているから…起きてしまったね…
ああ…月詠の鳴き声は元気が良いな…
顔を真っ赤にさせ…なんと可愛い子じゃ…」
貴殿様は呑気に、そう言うと…
「これの何処が…仲の良い会話に
聞こえるんだ?明らかに口論だろうが…」
「全く…そうですよ…それよりも…
月詠を泣き止ませてくださいよッ!!」
紫仙と天は月詠を泣き止まそうと
悪戦苦闘していると…
「おや、おや…これでは、まるで…
夫婦だな…私は不要じゃな…
では…二人に任せるとしよう…」
貴殿様は漆黒の衣を翻し…貴女様の
居る【神仏の領域】に立ち去ってしまった