慕情
第46章 刻は流れ…
紫仙は銀の箸を手に取り肴を頬張り…
酒壺を一気に飲み干すと…
「ぶふぁ…ッ!!ゲホッ…ゲホッ…
この酒…不味いぞぉ…!!」
紫仙は吹き出してしまい…
小豆は天を
吹き出した物から護るように庇い…
「天様…大丈夫ですか…?」
小豆は何食わぬ顔で、そう言うと…
「あ、あの…小豆様…
ありがとうございます…私は大丈夫ですが…
小豆様の衣が…」
天は小豆を心配していた…
「おいッ!!そこの二人ッ!!
俺の前でイチャつくなッ!!
それより門番小僧の癖に酒じゃなくて
不味い水を飲ませやがって!!」
紫仙は天と小豆に怒鳴り散らした…
「俺は大丈夫です…紫仙様…
その水…不味いですか…?その水も貴重な
水ですよ?桃の酒にも使われています…
吐き出すなんて勿体ないですよ?」