偉大な魔道士様に騙されて体を捧げることになりました
第5章 純愛という名の狂気
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〈side・シヴァリエ〉
「っ…」
広々としたベットの上で涙に濡れたままスヤスヤと眠るステラの頬をそっとなぞると、ぴくりと愛らしく反応するものだから
今すぐ起こしてもう一度潤んだままの膣壁をぐちゃぐちゃに犯してしまいたいという衝動を抑え込む。
だいぶ無理をさせてしまったから、今は寝かせてあげたい。
それに、こんなに愛おしく美しい寝顔を堪能出来るチャンスなのだから。
ー…僕がステラとはじめて会ったのは2年前の社交界
暇つぶしにしてもこの姿は目立つので一般貴族として姿を変え、潜り込んでいた時だった。
夜風にでも当たろうと出たバルコニーで、僕よりも先にそこに居たステラは桃色の真っ直ぐな髪をなびかせて空を見上げていた。
「星がお好きなんですか?」
興味本位で聞くと彼女は一瞬驚いた顔をして、
「えぇ、とても」
花がほころぶような笑顔でそう答えたのだ。
あまりに綺麗なその姿に僕は一瞬時が止まった。
今でもその時の情景も声もステラが着ていたドレスさえ全て鮮明に思い出せる。
その後は他愛ない話をして彼女がシューベリル公爵家の次女だと知った。
体が弱かったせいで今日が初の社交界だったらしい。
運命だと思った。
まだ何も知らない彼女のことを僕は本能的に愛してしまったのだ。
それからというもの、僕はステラを手にするためだけに生きてきた。
貴族でも王族でもない僕が彼女のような高貴な人を手にするために必要なことは全てだ。
魔道士としての地位を確実なものとし、必要としていなかった家まで建てた。
そして全ての準備が終わったひと月前
ステラの両親と姉の部屋に忍び込み、独自に創った奇病を3人の体へ与えたのだ。