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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第3章 シモンズ・シモーヌ


「シモンズさんのおかげでなんとかクレリアさんに着任の許可をいただきました!
 今から宇宙港に預けてある荷物を取りに行くところです」


腐ギルはテーブルの上に届けられたサンドイッチと紅茶に口をつけた

やや自由奔放なシモンズに礼を言うのは気が引けるが、何も分からず廃棄コロニーにやってきたフィルがあっという間にクレリアと会えたのはシモンズのおかげだろう


「そりゃあ良かったわね、私も基地に戻るから一緒に宇宙港に戻りましょう
 どうせ車は部下が使うし、私たちは軌道エレベーターを使うとするか」


シモンズもサンドイッチをひとつ手に取って無理やり酒で流し込んだ


彼女の二の腕を見ると筋肉が隆々だ
細身の身体には無駄な贅肉が無さそうに見えるのに、腕や脚だけ太く張っているのは普段からの訓練で得られたものなのだろう


「シモンズさん、朝からそんなにグビグビ飲みまくって、休みとはいえ大丈夫ですか?
 たしか昨日会ったとき“小隊長さんだ”て言ってましたよね?」


「勤務中の1週間は酒が飲めないからね
 いつスクランブルがかかるかわからない
 一年戦争が終わってもジオンの残党はうじゃうじゃ居るし、連邦軍にも派閥同士の揉め事が増えて緊急出動が多いんだ
 酒をたしなめるのは今だけさ

 それに……、ほら!部下たちが戻ってきた
 私の“シモンズ小隊”だよ」


パブの入り口を見ると大柄な男とやさぐれた細身の男がキョロキョロしている

シモンズは腕を挙げて居場所を伝えた

どうやらここのパブは24時間開いているらしく、店内の客のほとんどがつかの間の休暇を楽しむ兵士たちなのだろう


「やぁやぁ、ご機嫌うるわしゅうシモンズ姫!
 ゆうべはさぞかし楽しまれたようで!
 それにしても若い男の子を捕まえたモンですな! ガッハッハッハッ!!!」


細身のトーマス軍曹が軽口を叩く
女上司の夜の営みが成功したのなら、当分は機嫌も良く当たり散らされたりもしないだろうから彼も上機嫌になっている


「初めまして、私はジム、皆からはジャンボと呼ばれている、失礼ながらあまり此処では見かけない顔ですな、キミはどちらから?」

大柄なジャンボは丁寧にフィルに挨拶をした
ジャンボの穏やかな口調にフィルは“此処に来て初めてマトモな人と出会えました!”と神に感謝した

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