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ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第3章 シモンズ・シモーヌ


フィルが自己紹介をしようとすると、先にシモンズが答えてしまう

「私が相手をするには少々若すぎるわよッ!
 こちらはフィル!地球からやって来たクレリアのお客さまよ、アンタたちの軍隊式ご挨拶むげな扱いなんてしちゃったらクレリアがアンタたぢなぶり殺しにしちゃうからねッ!気をつけてよね
 死体のアンタたちを運ぶのは私にやらされるんだから、余計な事はしないでよッ!?」


「クレリアの…?」


ふたりは彼女の名前を聞いて萎縮した

どう見ても彼女のほうが歳下だろうに、彼女は何をやらかしたのだろう?本当にあの教会で一緒に生活出来るのだろうか?
フィルは宇宙港から荷物を取りに行ったまま地球へ帰りたくなっていた


「それで? アンタたちも休暇を楽しめたのね? その笑顔なら当たりでしょ!?
 私は私でベリンダとヨロシクやってたからシモンズ小隊は今日も平和ね」


「オレは例の子のところに行ってたし……」

「私はいつものカジノで一晩中稼がせてもらいました、此処でひと休みしてから我々は基地に戻ります」


「ああ、いいよ!そうしよう!
 ちょうど私もこれからフィルとデートする約束を取り付けたところなんだ、ジャマはしないでおくれよッ!」


フィルは約束なんてしてないだろうに!とここの女性陣は勝手な人ばかりだな!と悪態をつきたかったが、ここは彼女のジョークに合わせることにした


「おてわらやかに頼みますよ、シモンズさん?」


軽い朝食を済ませるとシモンズとフィルはパブを出た


トーマスは仲間らしき男たちとビリヤードを楽しんでいたし、ジャンボは奥の一角でいびきをかいていた


外はもう昼前ぐらいだろうか
町は意外と活気があり、道行く人や車は多かった

「廃棄されたって言ってましたけど、意外と人は多いんですね?」


「ああ、以前は普通の民生コロニーだったからね、何年か前に残党によるテロがあってコロニーが致命的な損傷を受けたんだ
 それから民間人は他のコロニーに移っていって、我々連邦軍がここを訓練コロニーとして使っている
 ほとんどは軍の関係者ばかりさ!
 一部移れなかった民間人が残っていて、あのパブのように基地に依存しながら生活してるってわけ」


ふたりは駅のような軌道エレベーターの入り口までたどり着き、チャージしてあるカードを入り口に読み取らせた


中は綺麗なホームだ

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