テキストサイズ

ぼくはキミを追い払えない 〜エクソシズム†ロストコロニー

第4章 クレリア・ラーナー



フィルとクレリアは病室を出て廊下に来た看護師に声をかけておく
そしてふたりは病院代わりになっているホテル跡地を出た


「ここに付いていなくて大丈夫でしょうか?」

「結界も強化しておいたし、大丈夫じゃないかな? そりゃ教会に連れてきておいたほうが良いんだけど、そのままじゃ体力のほうが回復しないだろう? ここならスタッフも24時間ついてる

それより腹が減っただろう?
今夜はこのまま外に食べに出ようか?
キミはずうっと眠ったままだったからなぁ
 おかげで私のベッドが狭かった!」


「えっ!?どこでお休みになられていたのですか?」


「そりゃベッドは一つしかないし、キミを蹴落とすわけにもいかないだろう?
 まぁ、おかげでいつもより暖かく眠れて良かった面もあるけどね

ここからちょっと離れるけどおいしい小料理店があるんだ」


そう言うとクレリアは全自動の無人エレカーを停めて行き先を告げる


「わざわざエレカーを?
 歩ける距離じゃないんですか?」


「歩いてもいいんだけど、今から行くところはちょっと治安が良くなくてね、乗っていったほうがストレスが無いんだ」


雑居ビルがひしめく繁華街を抜けて大きな緑地公園のようなところを抜けていく


“教会のある繁華街のほうがよっぽど治安が悪そうだけどな?”とフィルは流れる車窓の風景を眺めながら思っていた


緑地公園の並木通りは夕暮れの時間でも人通りが多そうだ


「……クレリアさん、このエレカーさっきから同じところを回っていませんか?

 それに……公園を歩いている人たちの装いが……、みんな似通ってません?」


「そうだね、今夜は“集会”があるみたいだ
 公園のどこかだと思うんだけど……

 彼らは毎回場所を変えるんでなかなか尻尾を捕まえられなくってね」


「??? ご飯屋さんに行くんじゃなかったんですか???」


「その前にちょっと寄り道さ、たまたまこの道を通ったら何だか彼らと遭遇しちゃったからね」


「彼らって???」



「なんていうんだろうな、

 悪魔崇拝者?

 カリスマに群がる集団みたいなもんだ」


クレリアは外の人の流れを注視しながら言った


ストーリーメニュー

TOPTOPへ