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リバース!(R-18)

第4章 最悪な4日間の始まり始まり

「……おい」
グランの声に、ルーシーは不機嫌そうな顔を向けた。

「何よ」

「依頼主の前ではそんな顔見せるなよ。ただでさえおまえは色々と人間じゃないんだから。依頼主の機嫌損ねたら俺の信用まで落ちかねない」

…色々と人間じゃないって何よ。

「依頼主の前ではしないわよ、さすがに。でも嫌なものは嫌よ。食べ物がないのはまだ我慢できるけど、水すら満足に飲めない砂漠で3泊もするなんて。…こんなやつと4日間も一緒ってだけでも耐えられないのに」
ルーシーはビシリとグランを指差した。

昨日は部屋の片づけだけで丸一日つぶれてしまったため、二人は先ほど、依頼主に依頼内容を聞きにいったのだ。

内容は、簡単に言うと、砂漠の先の町へ行くための護衛だった。砂漠を越えるには、徒歩では約4日かかり、道中追い剥ぎや魔物に襲われることもある。その護衛を、二人に当たってほしいとのことだった。

「俺だって、っていうか俺の方が嫌だっつうの。こんなものぐさ女と。新しい服も買ってやったんだから我慢しろ」

「だーからこれはあんたがやったんでしょ。…ま、結構良い服買ってもらえたからいいけど」

「だいたい、服が一着しかないっていうのがおかしいだろ。胸出して依頼主に会いに行くわけにもいかないから買ってやったけど」

「あ~~。はいはい。あたしが悪かったわよ。じゃあね」
宿舎の入り口についたところで、ルーシーが言った。

「仕事中はものぐさすんなよ。あと、絶対遅れるなよ、いいな」
“絶対”を強調してルーシーの背中に言う。

「はいはいはい、わかってるわよ~~」
ルーシーはそのまま、自室の方へ消えていった。

「ほんとに大丈夫か?アイツ」
不安そうに呟くと、グランも自分の部屋へと向かった。




当日、明らかに寝足りなさそうな顔でルーシーが現れた。グランも、馬に跨がった依頼主の男性も、待ち合わせ場所である門の前にすでに来ていた。こんなに朝早く起きるのは久しぶりだったが、ルーシーはなんとか間に合った。…と思っていた。

「遅い!依頼主より遅れてくるとはどういうことだ!」
グランはカンカンに怒った。

「…すみません」
グランも続けて依頼主に謝ると、遅刻ではないしいいですよ、と依頼主は笑顔で答えた。

こうして、一同は出発した。

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