
はなことば
第8章 Marigold《年下男子》
早く立ち去ろうと
早歩きで大学を出た
大学を出て
角を曲がった瞬間だった_
" おばさん "
" 年の差きつー! "
" 見合ってない "
彼らの言葉が
心に突き刺さる
思った以上に突き刺さった
凜夏「なんで私…………泣いての…」
とっくに気づいていたのに
気づいてないフリをしていた
彼が居なくなるのが怖くて
両親からの連絡があったか聞けなかったことも
嫌われるのが怖くて
彼女がいるのか聞けなかったことも
私は
彼のことが好きになってしまっていたからだ。
でもこれは完全に
ルール違反だ。
.
心惟「ただ…いまって……何これ?」
彼が帰ってくる前に
私は彼の荷物を勝手にまとめた。
凜夏「心惟くん……そろそろ出てってくれない?」
心惟「え?」
凜夏「もう1ヶ月も経った。さすがにそろそろ…」
心惟「嫌いになった?俺のこと。」
凜夏「…え?」
心惟「嫌いになったから…追い出すんでしょ?」
凜夏「それは…違う…」
心惟「…違う?」
凜夏「これ以上一緒に居たら、勘違いされて、
あなたも友達に色々言われるだろうし。
こんなおばさんと…
心惟「気にしてるの?今日のこと。」
凜夏「いや…そういうわけじゃ…」
心惟「ごめん。俺の友達が。本当にごめん。」
凜夏「いいの。本当に大丈夫だから。
それに……事実だし。」
心惟「俺はいいよ。勘違いされても…」
凜夏「……え?」
心惟「いや、、ごめん。なんでもない。
でも……急には出ていけない。
1週間待ってくれない?」
凜夏「……うん。わかった。」
