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はなことば

第10章 Coreopsis《大学生》

〜李杏side〜

芸能人という道をはずれた私には


友達も恋人もいない


味方をしてくれる人なんて誰もいなかった


彼を遊んでるわけではない


一緒にいて、ただひたすら楽しかった


だからつい、


純粋な彼をからかってしまう



.


ザブーン
波の音が広がっている


李杏「んー!!気持ちいい!!」


唯音「…海」


李杏「海でこれしたかったの!」



この間、姉から別荘にダンボールが届いた

中には食料、飲料…そして手持ち花火



唯音「花火!」

李杏「お姉ちゃんが送ってくれたの」

唯音「お姉ちゃんって……あの女優の…」

李杏「うん、そう。
お姉ちゃんにも散々迷惑かけたのに
こうやってたまに荷物送ってくれるの」

唯音「お姉さんと会わないんですか?」

李杏「うん、会えないよ…合わせる顔ないし」

唯音「でも…お互いに大切に思ってるんですね。」

李杏「……そうなのかな…」

唯音「……やりましょうか。花火。
ザ・夏の思い出って感じで、
めちゃくちゃ上がってきた(^^)」

李杏「うん!やろう!!」



.



何もかも忘れて
思っきり楽しんだ


こんな時間が
続けばいいのに…



李杏「ねぇ、唯音」

唯音「ん?どうしました?」

李杏「罰ゲーム……決めた」

唯音「うわっ、覚えてたんですか。
……っで、なんです?」



李杏「友達になって」



唯音「え?」

李杏「……嫌?」

唯音「っ、、俺が…友達?」

李杏「うん。」

唯音「初めて会った時、俺に友達いないの?
って聞いてきたけど、お互いさまだったわけだ。」

李杏「……うるさいなぁ」

唯音「なりましょう、友達!僕ら。」

李杏「っ、」

唯音「楽しいこと、悲しかったこと…
友達なんですから、何でも話してください。
あ、俺…愚痴も聞けます。いくつでも聞きます!」

李杏「…ふふっ、うん。ありがとう。」


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